過熱水蒸気を利用した、特許取得の加熱方法
特許6397448号
「過熱水蒸気で野菜の旨みと栄養を凝縮する」調理
に適した技術で、特許を取得したスチームクッカーです。
過熱水蒸気とは
水を加熱して発生させた水蒸気をさらに加熱した、100℃以上の気体です。
過熱水蒸気による加熱の仕組み
水蒸気(水の温度が100℃の沸点に達し気体に変化したもの)は、水蒸気よりも低温の物質に触れると凝縮(温度が下がり再び液体化する現象)し、その時触れた物質に熱を与えるという性質があります。この熱のことを凝縮熱と呼び、凝縮熱によって物質が加熱されます。
過熱水蒸気は水蒸気よりも大きな熱量(エネルギー)を持っているので、より早く物質を加熱する力があります。
特許技術
「熱」は、温度の高いところから低いところへと移動する性質があります。
そこで、VSCの庫内を「100℃越の過熱水蒸気で満たす」ことにより、野菜の表面で凝縮熱が発生するようにしています。この「100℃越」の温度が高すぎると野菜が焦げたり焼けたりしてしまうため、野菜に適した高すぎない温度を保つことが重要です。
その蒸気を庫内に充満させることで、庫内で「温度の低いところ」になるのは過熱水蒸気に直接触れる「野菜の表面」になるため、全面から熱が加わりムラが生じることもなく効率よく野菜を加熱することができます。
VSC調理で得られる効果
●茹で調理に比べ、煮崩れがなく水溶性成分の流出が大幅に削減できる
→栄養素が残りやすく、色や味も濃い調理が可能
●一般的な蒸し調理よりも高カロリーで加熱するため、短時間で調理が完了する
→時短に加え、加熱時間が短いほど栄養素の損失は少ないので、栄養素が残りやすい
●過熱水蒸気はほとんど酸素を含んでいない水蒸気であるため、低酸素な環境下で調理が可能
→調理過程での酸化が抑えられ、調理後の変色や栄養素の酸化に繋がりにくい
*他にも*
●大阪府立大学(現:大阪公立大学)との共同研究の結果、茹で調理と比べて調理後のビタミンや甘味成分の残存率が高いことを確認済み
●高温の過熱水蒸気で調理することにより、殺菌効果が期待できる
●天然香料の抽出にも使われる、水蒸気蒸留という原理で野菜特有の青臭さや土臭さが低減すると考えられる